top of page

周防大島和佐、10年ぶりの二階堂和美さん!【コラム】

更新日:3月18日



初めてここ、周防大島の和佐に歌いに来てくれたのは10年前の2014年、夏真っ盛りの8月3日。私たちも初めてここで行うライブで、ニカさんこと二階堂和美さんの歌声は、それは想像以上の圧巻のステージでした。

 

そもそも、その日にどうして出演をお願いしたかというと、その前の3月に観た二階堂和美さんのライブがきっかけ。広島のヲルガン座の上にある「ふらんす座」での恒例の公演は2、30名がぎっしり入るとても小さな空間でのライブで、僕たち家族は、至近距離で二階堂和美さんの歌とパフォーマンスを浴びて度肝を抜かれました。すさまじい歌声。バイブレーション。これは絶対ライブで呼びたい、と。

 

そのさらに少しだけ前、こんなことがありました。スタジオジブリ・高畑勲監督の「かぐや姫の物語」が2013年末に公開されてすぐに娘と観に行きました。

美しいアニメーションの竹取物語が編み続けられて、感動しながらクライマックス、そしてエンドロール。ピアノが静かに「たーんたーんたーんたーん・・・」とテーマのイントロを奏で始める。

 

「あなたに触 れ た・・・」と歌が始まると、横で娘が、

「よろこびが ふかあく、ふかあく・・・」と突然、映画に合わせて歌い始めた。映画館なのに割と大きな声だったので「おっとっと」と慌てました。

しかも、僕たちはこのときまだ二階堂和美さんに出会っていないので、なんでこの歌を知っているのか不思議。なので小さな声で、

 

「なんでこのうた知ってるの?」と訊くと、

「なんかしってたよ。ほいくえんできいてた」

 

とのこと。

 

今年2024年、直近でニカさんをパフォーマンスを観たのは2月の広島クラブクアトロでの寺尾沙穂さんとのライブ。先の出番のニカさんは、途中MCで涙ぐみつつも、歌で爆発する圧倒的なパフォーマンスでした。パートナーでベーシストであったガンジーさんが遷化されて3年、その重みが伝わってくる。10年前よりも間違いなく深化している。聴きながらこちらも嗚咽してしまいそうでした。

(そのときの模様はライター清水浩司さんのコラムで↓)

 

このライブでも、「女はつらいよ」という歌が始まると、右手後方から明らかに小さな女の子の声で、

「あの人 今頃どうしているか・・・」

「悔やんでも このばかは 同じ過ち くり返す」

 

と大きな声で寄り添って歌うではないですか。「うちの子と同じだ・・・」

大人の心と子どもの声が同期する。こんなに美しい光景は観たことがないなと思いました。

 

周防大島では昨年秋に、島の奥の奥の方の地域、「油宇」(ゆう)にある「浄西寺」(じょうさいじ)というお寺の本堂でニカさんとピアノの黒瀬みどりさんによるコンサートがありました。お寺の中で響き渡るニカさんの歌はまた格別。お寺で育った方だからこそなのか、あまりに自然に、ダイレクトに、伝わってきました。ガンジーさんの存在も感じながら。

 

10年ぶりの和佐でのライブは同じ和佐公民館。名前だけが変わりましたが、お寺と劇場の間というべきか、木造のライブハウス、といった趣きか。10年前は電子ピアノでしたが、今回は生ピアノ!1960年製のヤマハ!間に合いました。

 

至近距離で平場で味わう歌声を体験できたらとの思いから、あえてもともとのステージを使わずに舞台を設えてみました。

表現の塊の3組を迎えての和佐の音楽祭。二度とない夜、どうぞ堪能していただけたらうれしいです。

















 
 
 

Comments


bottom of page