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和佐公民館
山口県大島郡周防大島町和佐
島の南東部に位置する周防大島町の集落"和佐"の中にある、風情のある小屋。
住民の方の伝によると、終戦後・昭和24年に「和佐公民館」(当時の「和佐青年会館」)の再建を集落で決議し、山から木を切り出し、地域住民一丸となって手作りで建設したそうです。芝居好きの青年団(自ら芝居もやっていた)の意向とともに、芝居小屋の体をなした島内でも有数の会館になりました。中村鯉三郎一座の歌舞伎を有志が企画し、当時のプロ興行師ともモメながらもその後一目置かれる存在に。地方の劇団がここで芝居しては寝泊まりもしていく、という地域の灯台のような場所になりました。
時代は下って、この集落から作詞家、星野哲郎さんが登場します。
日本に住んでいれば一度は聞いたことがある曲、「三百六十五歩のマーチ」「男はつらいよ」といった無数の名曲を生み出した大家は、のちに「これから世の中に出てほしい歌手」を応援するため、自らの身銭をきって、この島でライブ企画を行います。この「和佐公民館」でも、水前寺清子さんらをはじめとした名歌手の方々を呼んで、集落の住民のためだけの企画を開催したということです。
現在でもこの公民館は自治会の運営のもとで、地域の集会所の役割を担っています。地域の楽しみの行事である「餅まき」(見たことのない熱気に包まれます)の時や、「葬儀」がとりおこなわれる時などが主な行事にはなってしまいましたが、それでも集落の大切な場所であることに変わりはありません。
昭和57年に記された住民・末広有幸氏の文書の最後にこうありました。
"「古いことをゆっくり味わいそして新しいものをじっくり受けとめ
(中略)精進したいものである。」"
身をゆだねながら、楽しい空間になりますように。
和佐公民館
当日、第一駐車場になる開導小学校跡地
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